--秋田県の玉川温泉--

 今日は秋田県八幡平に近い玉川温泉を紹介します。
古くからの湯治場で、開湯は江戸時代と言われていますが、昭和の10年頃から「玉川温泉」として難病に効くとして知られるようになりました。

 交通不便な所で、道路ができてバスが開通したのは昭和26年(1951)です。私が始めて行ったのは昭和31年でした。時期外れて、バスがなくて八幡平からのハイキングの続きでした。

 温泉治療を研究する東北大学や岩手医大などで研究会が作られ、温泉内に大学の診療所があります。日本一のお湯の湧出量と高温でPH1.2という強酸性のお湯、それに台湾の北投にある放射能を持った岩石(北投石と呼ばれている)がこの噴気孔周辺にあるため、暖かい岩の上に寝る「岩盤浴」は放射能と輻射熱の両方から治療効果が高いとされていて、よそでは見られない湯治が行なわれています。

 ここの湯治は入浴と岩盤浴の両方で治療効果が大きく、「難病に効く」「末期がん」に効くという評判で、700人の収容能力でも常に満員で、宿泊できない人が駐車場の車の中で生活し、湯治にかよう人も多数います。

 最近は隣接地に同系列の「新玉川温泉」も開業し、同じお湯ですから治療効果は同じで、収容能力は大幅に増加しました。どちらも一軒宿で、カラオケなどは一切なく、静かな保養と治療に徹底した静かな温泉場です。
秋田県の玉川温泉

大噴、この看板にあるように毎分8400リットルの高温98度で塩酸並みのPH1.2のお湯がこの噴出口から噴出しています。強酸性で金属はすぐ腐食してしまいます。

秋田県の玉川温泉 流れる高温の温泉水と、自然研究路での道路にも岩盤浴の人がいました。足だけ見えていますが、岩の上よりも平らでここは特等席です。この道路は触るとかなり熱さを感じます。
秋田県の玉川温泉 噴気孔の中にある岩盤浴のテント小屋と露天風呂、小屋の中はすでに満員で、周辺の地面や岩盤の上の随所にも沢山の人が岩盤浴をしています。手前は露天風呂です。脱衣の棚はありますが、周囲を覆う囲いはありません。
秋田県の玉川温泉

 

秋田県の玉川温泉 岩盤浴に向かう人々。観光客もいますが、毛布やムシロ・ゴザなどを持って、岩盤浴に行く湯治の人たち。背中に斜めに背負っているのはゴザなどです。
秋田県の玉川温泉 大噴、岩盤浴地帯、自然研究路の遠景です。荒涼とした風景です。
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