--熊本県の石橋(霊台橋と通潤橋)--

 九州には石橋が多数ありますが、明治より以前は熊本県、明治以後は大分県に多数の石橋が作られました。熊本の石橋は最も古いものは1818年(文化15年)ごろから、江戸時代の末期にかけて、1850年ごろまでに100ヵ所以上に作られています。精密な設計によってアーチ式の石積みがされています。

 その中から、有名な2ヵ所をお見せします。

 霊台(れいだい)橋(砥用[ともち]町)は単一アーチ橋では日本最大のもので、中央部が盛り上がって弧を描いています。1847年(弘化4年)建築、長さ89.9メートル。

 通潤(つうじゅん)橋(矢部町)水路橋として作られ、6キロ離れた川から水を引き、今なお100ヘクタール余りに灌漑の水を送り続けています。放水は水路のゴミや障害物を流すために行なわれるものです。1854年(嘉永7年)建築、長さ75.6メートル。

前へ ホーム 次へ
熊本県の石橋(霊台橋と通潤橋)01

霊台橋は1960年代に隣接した国道橋ができるまで、国道218号として使われていました。約150年前の建築ですが、今なお、しっかりして崩れや狂いはないようです。中央部が盛り上がり、優美な姿でアーチ型の弧を描いています。国の重要文化財の指定を受けています。

熊本県の石橋(霊台橋と通潤橋)02

熊本県の石橋(霊台橋と通潤橋)03

この緑川は周辺の支流を含めると86ヵ所の石橋があるそうです。

熊本県の石橋(霊台橋と通潤橋)04

通潤橋は灌漑用水路のための橋で、この放水が有名です。渇水期と田植え時期を除いて、週末に1回(現在は日曜日12時)放水します。普通には事前申し込みで有料で放水も可能とのことですが、1回に15分程度で300トンの水が必要です。今年は渇水なので、特定時のみに放水しています。

熊本県の石橋(霊台橋と通潤橋)05

熊本県の石橋(霊台橋と通潤橋)06

2005 Masamichi Toya. All Rights Reserved .
前へ ホーム 次へ