--雪の国道108号(秋田県)--

 冬の旅は寒いですが、やはり、雪のある所が楽しみです。今日は先日行った秋田県の小安温泉郷のひとつ、稲住温泉を紹介します。

 ここは本来は、山形県の新庄と秋田県の横手の中間、奥羽本線からバスで入る湯沢に近い山奥で、栗駒国定公園に含まれていますが、いわば日本列島の背骨の部分です。稲庭うどんの産地の稲川町もこの隣町です。

 豪雪地区で、3月初めで1メートルを超える積雪でした。国道108号線は石巻と秋田県本荘を結ぶ国道で、こけしで有名な鳴子・鬼首から山の中へ入って、県境を越えますが、途中約20キロには人家はほとんどありません。今では除雪されて通年通行できます。以前は雪が降ると、閉鎖されて通れませんでした。

雪の国道108号(秋田県)01

道路脇には路肩と雪の深さを示す路肩棒が立っています。荒天時には路肩を確認する唯一の標識となります。モノクロの世界ではこの色彩が目立ちます。

雪の国道108号(秋田県)02  
雪の国道108号(秋田県)03  
雪の国道108号(秋田県)04

宮城県側は晴れていましたが、山に入ると、雪が降り始めて、すぐ猛吹雪になり、時には地吹雪状況で何も見えなくなり、停車して、また前方視界を確認してから、走り出すようなありさまでした。70キロを約2時間弱で走りました。
左に立っているのは吹き溜まりの雪を防ぐ、防雪柵です。

雪の国道108号(秋田県)05 着いた先は稲住温泉という一軒宿で、かつて戦時中には武者小路実篤が疎開していた所で、平屋の大きな木造旅館ですが、ゆったりとした内部には多数の書画が陳列されていて、画廊の風情があります。
雪の国道108号(秋田県)06 背後の山林を見渡す露天風呂です。
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